珊瑚海より愛の手を

祥鳳と輸送船団の上空で戦われる戦いは、第一次ニューギニア沖海戦と呼ばれた。
そしてわずか1時間後に戦われた戦いは多くの戦訓を含む戦いとなった。

第二次ニューギニア沖海戦。

祥鳳が戦線を離脱し、俺は負傷しラバウルへ運ばれている頃、原中将が指揮する、翔鶴、瑞鶴より出撃した’艦上’百式偵察機は発艦中のアメリカ軍機動部隊を発見。無論この発艦の対象は祥鳳なのだが、機関部に奇跡的に致命傷を受けなかったかの艦は28ノットで戦線を離脱していたのだ。


今こそ、千載一遇の機会!

すぐに電報が中空を舞い、機動部隊より120機あまりの攻撃隊が出撃した。
このとき、井上中将よりある秘策が届いていたのだ。


アメリカ機動部隊エンタープライズ艦上ではスプルーアンスが腕を組み先ほど闘われた第一次ニューギニア沖海戦に思いを馳せていた。
「何故潰せなかった?戦力比は1:4だ。戦術論として1:16の割合の損害費となる。ならばすべてつぶし切れたとしてもこちらはほぼ損害無しになるのに・・・」
そう彼はひとつの小型空母に約30機も戦闘機が積んであるとは思わなかったのだ。ゆえに判断を間違い、攻撃隊を限りなく多くし、戦闘機を少なくして艦隊を守ろうとしてしまったのだ。
確かに間違いな判断ではない。艦隊を守るのは戦闘技術が高いものが選ばれる。攻撃隊に加わる戦闘機員は基本的にまだ未熟なのが主体となるのだ。それだけ艦隊防衛は大事なのだ。
「では・・・?」
と、次の瞬間!
「敵機発見!」
けたたましいサイレン音がなり、一気に喧騒が世界を支配してゆく・・・。
アメリカ軍機動部隊は一時的な恐慌状態に陥った。


そんなことはつゆも知らない急降下爆撃隊長、高橋赫一中尉は新攻撃法にまるで子供のように心を弾ませていた。
「村田だけにいい顔はさせねえ!」
そう彼らは、その卓越した技術によりある攻撃方法を確立させていたのだ。


スキップボミング


まるで水切りのように爆弾を弾ませ敵艦の側面に新50番を食らわせて致命傷を穿つのだ!

少数精鋭の高橋隊12機は特別改造された二式偵察機もとい「彗星」をかり輪形陣へと突入を開始する!対空砲火が壮絶な牙を研いで唸りをあげて飛来するも卓越した技術を持つ高橋隊は高度8mを時速560キロで突貫してゆく・・・そして
「3、2、1、てっ!」
爆弾槽から放たれた50番と各二発ずつの三番は約500キロの運動エネルギーを与えられ輪形陣を裂き、エンタープライズサラトガに吶喊してゆく!そして・・・


そしてこの攻撃は五航戦の画期的圧勝に終わるのだ。
この闘いにおいて井上中将と、原中将、そして五航戦の名声は大きく上がり、ついにMO作戦は現実味を帯びてくるのだ・・・・


ん?勝ってまったw珊瑚海海戦。祥鳳の奮戦が珊瑚海海戦をひっくり返したのだ。
弱小第四艦隊と妾の子五航戦はついに名声を手に入れたのだ。
この浮かれた艦隊に釘を刺すのは誰なのか?
そして俺と岩塚はいつ戦線に復帰するのか?
ミッドウェー海戦は?
次回の夢を待て!w