Final Fantasy 8 Another Story

剣撃の音が激しくなる、いつもの三人で突っ込んでゆく
ヒロ「今度は離れるなよ!」
ジーク「ああ、もちろんだっ!」
目の前にいたガルバディア兵を蹴り飛ばしファイラを浴びせる、大丈夫いつもの俺だ
リサ「浮かれてちゃダメだょっ!」
…あぁ、彼女のトンファーが敵兵を叩く、その瞬間、障気が彼女のまわりをおおった。
STdeathが発動したのである。
ヒロ「仲間が無事なのは嬉しいが、素直に喜べんな」
ああ、全くだ。
GFにより感覚が極めて研ぎ澄まされているから、敵の銃弾すら完全ではないにしろかなり
避けれてしまう、と同時に感情も研ぎ澄まされているからどうしても感情的になりすぎて
しまう
ゆえに、いつもは感情を表にしない彼がめずらしく顔をしかめている

いや、もう解っていた、先回の戦闘で思い知った
僕らにとり、長時間の戦闘は極めて危険だ、体力の消耗と精神の消耗に



気が付かないから



これは大切な戦訓だった、GFのおかげで身体の能力が飛躍的にあがるのでそれに呼応する
ように体力は済し崩しに、精神も同様一気に疲弊してしまう、それに気付くよりも先に…
これが前の暴走を引き起こした原因ではないかと思った
だから、今回は戦い方をさらに遊撃化することにした。


僕らは約30分を一単位としいつ終わるともわからない戦いに身を投じ続けた



一方、ガーデン地下にはリノアを含むMD層起動チームが夜を徹しての作業を続けていた
リノア「あの時もそうだったね、スコール」
巨大なジェネレータを前に、小さく嘯く

…バリバリバリッ!

ついにトラビアガーデンが巨大な音をたて動きだした!


キリカ「やった…総員!戦闘を継続しつつトラビアガーデン内に撤退せよ!」
彼女の命令は伝令を通し前線で戦う僕らへ届けられた。

ヒロ「よし!逃げよう!」
リサ「うん!」
ジーク「…いやっ!まだだ!」
二人を押し退ける、その瞬間、魔法がたたき込まれた
ちぃ!
近くに待機させておいたチョコボに命中し、一匹が負傷した、もう走れない!

頭に浮かんだのはこの状況を打開する最良の手立てだった
ジーク「二人は逃げろ!俺はここで敵の注意を引き、トラビアガーデンから引き離す!」
ヒロ「ふざけるなっ!え…」
ジーク「英雄きどりなんかじゃねぇ!今はそれしかねぇだろ!今ここで三人で戦ったって
結果は同じだ!」
数瞬おいて…
リサ「いいわ、そうね。でも」

リサ&ヒロ「死ぬなっ!」


背をむけ二人は走り去る。
目の前に迫るのは100人をこえる部隊のようだ。
勝算は…ある。


それは暴走したもう一つの可能性。
人はいかに人であるか
それは他の生物に比べ体の道具の汎用性の高さにある
さらに行動の基礎となる記憶の一部を司る海馬と、感情を司る偏桃体の密接な関係により
人格とは形成されるものである


では、もしその密接な関係が崩れたら?


ジーク「さぁ、支配してみろ、力を解放してみせろ…」
何かが音をたて崩壊した…

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ぞわっ!
リサは、はっ、と今までいたほうを振り返る
ヒロもその空気の変化に気付いた
リサ「なんて強い魔導の流れ…」

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対峙していたガルバディア兵は、まるでルビーのような深紅の目をした僕を凝視していた
誰かが僕に発砲した
その刹那、雪風が炎を纏ガルバディア兵を切り裂いた、惨劇が始まった


ローレライ「まるで…爬虫類…」


実は、この一言が真実を得ていたことを彼女はもう少ししてから知ることになる