嘗て、私はこの場を借りて
「私は、ヒトラーに似ている」
と言った訳だが、それ以上に近しく感じる人物を見つけた。
犯罪者。酒鬼薔薇聖斗。
数奇な少年時代。理解されなかった子供時代。制限される世界。
似てる。すげー似てる。
絶対零度の狂気や、刃物や、殺人衝動は無かったが。
しかし、彼との差異はそれだけではないか?
状況は似ていた。
環境の瑣末な差異こそが、私を生かしているのかもしれない。
しかし、それでも私は、彼に親近感を感じ、そして軽蔑する。
どうしても失いたくないものが、彼と私では違いすぎる。
私のほうが圧倒的に多いからだ。
幸いだといおうかね?