2か月ほど働いて。

文化の違いを感じる。彼は、日系二世であり、父とほぼ同じぐらいの年齢であり、ITの黎明からいた技術者であり、元社長でもあった人と2か月一緒に働くことができた。
彼は、年を召してはいたが、頭脳明快、朗々とした声、人当たりのよさそうな顔立ち。そのすべてが彼の人生を投射しているといえようか。
僕はそんな彼と長く実に長い間働けた。

彼のスタンスは「いかに効率的に楽をするか。」に尽きる。
ゆえに、応援者であった私をあらかじめ厳しく鍛えること2週間。心配していた新しい環境の内容にもあっけないほど簡単に順応できていった。
彼らは、大学院卒を率いたことがなかったせいか、呑み込みの速さをほめてくれた。
それも、私にとっては望外の喜びであったが、なにより仕事が早く進むことを純粋に祝福する彼らの陽気さに惚れた。
まるで、恋人を描写するように書いているがそうではない。50を超えたおっさんなのだ。

彼らは、自分たちに都合が悪い制度は堂々破壊する。
例えば、サッカーの試合があるときは本当に休んでしまう。
クリスマスには歌いだす。
正月にはとてもおいしい焼肉を持参しようとする。

しかし、案外、このモチベーションの維持こそ彼らから学べた最大の利点であった。
楽しくやればはかどる。失敗しても次に生かそうとする職場環境がそこにある。笑いがある。


技術系である私は現場のそんな雰囲気に少々嫉妬する。
そこでなら、私は楽しく過ごすことができるだろう。
だから、今は楽しくする隙間はないかと、探求の日々なわけだ。

そんな社会人をやれる自分を今は誇らしく、そしてうれしく思う。